全国民主主義教育研究会 2005年(第36回)大会


学校・家庭・地域から
主権者を育てる民主主義教育を確立しよう
7月30日(土)から8月1日(月) 

於・成蹊大学箱根寮

迷走する教育改革、憲法改正の計画が政権党により進められている現在、今こそ、民主教育の立場にたつ教育運動・教育活動の大切さが、希求されています。「絶えざる民主化」をめざす教育実践と研究の成果を交流し合い、「未来をひらく教育」の糸口を探していきましょう。多くの方の参加をお待ちしています。    報告と感想は一番下に 3.12/06

◆記念講演 (8月1日)
「憲法第九条の政治哲学的意味 」
            加藤節 成蹊大学法学学部教授

 政治は人間の運命を左右する力もっているのにもかかわらず、それを研究対象とする政治学は、近年そうした政治権力への緊張感を欠いている。内外を問わず、日本が様々な局面で厳しい選択を迫られている現在、政治学に何ができるのだろうか。国家や自由、暴力、ナショナリズム、日本国憲法など、直面する問題を歴史的な展望のなかで検証し、新たな座標軸を提案する(『政治学を問い直す』ちくま新書より)。
○著書……
  「スピノザ哲学における政治理論の位置」(『思想』1971)
  『近代政治哲学と宗教』『ジョン・ロックの思想世界』(東大出版会)
  『政治と人間』、『政治と知識人』(岩波書店)  

◆特別報告(7月30日)
 
「私の民主的政治教育実践」 若菜俊文(副会長・東京・高校)
   …………コメンテイター:久保田貢、吉田豊

◆基調報告(7月30日)
  
吉田俊弘(全民研事務局長)


☆とき・ところ 
◆と  き 2005年  7月30日(土)~8月1日(月)
◆と こ ろ  成蹊学園寮(箱根寮)  ℡ 0460-3-6051
      神奈川県足柄下郡箱根町元箱根蛭川 134-3
*タオル・洗面具の用意はありませんので各自用意して下さい。

■費 用 参加費 6,000円(学生4,000円) 1日のみは3,000円
       宿泊費 20,000円(宿泊費2泊5食・会場費)


☆交通案内
【電車をご利用の場合】
  JR小田原~箱根湯本(私鉄小田急線)、バスで元箱根まで(40分)、寮まで徒歩25分
【自動車をご利用の場合】
  東名高速道路、 御殿場インターチェンジより、仙石原~湖尻~元箱根~寮


☆大会日程
30日(土)11:30~13:00 受付
     13:00~17:00 基調報告・特別報告・レポート紹介
     18:00~19:30 夕食・交歓会
     20:00~21:30 (全国委員会)
31日(日) 9:00~12:00 分科会
     12:00~13:00 (昼食)
     13:00~17:00 分科会
     18:00~19:00 夕食
     19:30~21:00 報告会
1日(月) 9:00~12:00 総会・記念講演


☆分科会(7月31日)
第1分科会 民主主義思想
 個人と国家、あるいは「規範」と「秩序」といった「イデオロギー」に「戦後民主主義」は、そして私たちの実践はどのように向き合ってきたのでしょうか。生徒の言質の中にデモクラシーを省察・深化する問題提起を見いだしていきたいと思います。
レポート ①「東京における『日の丸・君が代』強制と予防訴訟」(東京・高)
      ②「こんにちの教科書問題」(東京・大学)
      ③「生活の中の『社会』と授業の中の『社会』テキスト」(神奈川・高)
      ④「新課程中学校『公民』の現状:憲法・平和学習にも触れて」(北海道・中)

第2分科会 憲法と平和
 憲法調査会の報告がなされ、改憲が日程通りに着々と進んでいるかのような報道が続いています。しかし、憲法やとくに第9条について今まで以上に考えようとする声も大きくなっています。憲法の何をどのように学んで行くことが大切なのか、平和のために何が必要なのかを実践や研究を様々に持ち寄り深めていきたいと考えています。  

レポート①「高校生平和のつどい10年と今後の課題」(東京・中高)
     ②「イラク戦争を学ぶ高校生」(東京・中高)
     ③「法科大学院生の出前授業」(東京・高)
     ④「憲法改正問題是か非か」(神奈川・高)

第3分科会 環境と経済
 深刻な不況や金融危機が解決に近づいた雰囲気で、やや明るさを戻した日本経済。が、人口減少が近づき年金改革や国債処理は後回しで、不安がぬぐえません。その一方で環境問題や省エネへの関心も高まってきました。将来をみすえて自らの人生を切り開ける若者を育てるのに経済・環境教育は欠かせません。生活の中から楽しく経済と環境を考え学んで、目が開かれる工夫をみんなで考えましょう。持参レポート、大歓迎です。
レポート①「時事問題を通して社会参加と意見表明を」(千葉・中高)
     ②「くらしの法律と経済」(大阪・高校)
     ③「生徒の目線にあったプリント学習の工夫」(神奈川・高)

第4分科会 学力と授業づくり
 授業は難しい。だが、優先順位からいえば、教師の第一位に位置する仕事です。ここを避けて通るわけにはいきません。授業をどうつくったらよいか。さらに、社会を見抜く見方と判断とする力を育てるにはどうしたらよいか。ともに語りましょう。
レポート①「授業に生徒とともに真実を探す」(東京・高)
      ②「2分間スピーチと高校生の社会認識」(埼玉・高)
      ③「教員に対するアンケートから見た定時制の公民科教育」(東京・高)
      ④「NIEの授業のとりくみ」(東京・高)

第5分科会 自立と連帯を育てる
 毎年、子どもたちの「自立と連帯」について様々な方面から議論しています。いじめ、不登校、犯罪の低年齢化など、子ども・教師・親をめぐる課題は山積しています。課題の大きさに負けず、今年も元気をみんなで持ち帰りましょう。
  レポート①「標準服をはねのけた生徒と親」(東京・高)
       ②「青年をいじめる社会にレッドカード」(愛知・高)
       ③「全クラス参加の演劇コンクール」(埼玉・高)


☆31日「夜の報告会」
  第1:「教員養成事情を中心に」木内剛会員(成蹊大学教授)
  第2:「日の丸・君が代問題」予防訴訟をすすめる会員より


☆申し込み
  ①参加申込書宛て先について、次にお問い合わせください。 
  ②大会参加費6000円を郵便振替によってお振り込み下さい。通信欄に大会参加費とご記入下さい。
   郵便振替口座 00120-1-97883、加入者名:全国民主主義教育研究会 
*期限をお守りください。宿泊のキャンセルは違約金をいただきます。
 7月20日までにお申し込みください。

……全民研第36回大会参加申込書内容項目…………
  氏名
  男・女 歳 会員/未会員
  住所 〒
  電話
  勤務先
  参加回数:初/2~4回/5回以上
  職種:教員(小・中・高・大) 学生/院生
  朝食・昼食・夕食・宿泊の有無を日ごとにお知らせください。
  参加希望 分科会 ( ) 7/26(土)
  参加希望 報告会( ) 7/27(日)
  ※煙草を吸う人と同室で(困る・かまわない)

報告と感想

参加者が50名弱と少なかったのは残念でしたが、全民研らしい中身の濃い大会だったと思います。

成蹊学園寮を提供していただき、芦ノ湖花火大会のご案内からレポート報告まであらよる面で、ご支援をいただいた
K先生には心より感謝申し上げます。

最終日の記念講演は、加藤節教授より、学生に講義をするようなスタイルで、憲法第9条の政治哲学的意味を語って
いただきました。もっと多くの会員から聞いていただきたかった内容でした。
 憲法分科会でも、授業において、9条「改正」問題をどのような脈絡の中で語るべきか、議論になりました。この議論を
ふまえて、教授の見解を伺ってみると、政治哲学者としての観点から、9条の理念・意義を説得的に語られた教授の
姿勢には大いに学ばされました。 (事務局長)

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