各県支部例会の案内と報告 3.08/06 神奈川と三重の報告

2/5/06 三重支部新年例会報告

 久々に会員が集まり、レポート発表を含め充実した話し合いができた。

 大学やらNPOで活躍されているK先生から『弓矢人権裁判』の傍聴記が報告された。
'99の事件発生以来、裁判を傍聴記録されてきたその経緯が細かく説明された。
 次に、支部代表のK先生から「NIE 新聞語句トレーニング」と称して、新聞から選び出した
難読文字の漢字テストや、いま流行のプログ風に格言を使った「卒業エッセイ」の優秀作品が
紹介された。

 つぎは、松阪市から参加していただいたS先生。受験校の授業での細やかな工夫をした
プリントを大量に持参された。教科書を終えるという縛りと自らの主張をどう、どこで生徒に
伝えていくかというジレンマがその紙面に浮き出ていた。
 Mからは前の職場で闘ってきた定時制統廃合反対の取り組みを紹介した。県予算縮小
という状況の中、切りやすいところから教育の機会を奪っていくという流れに、生徒と教員、
そして同窓会と地域が一緒になって取り組んでいる運動である。

 つぎに、三重県初の総合学科である「いなべ総合学園高校」のK広先生から学校の現状
報告があった。
 各学年8クラス規模の大規模総合学科として開校5年目を迎えた三重県立いなべ総合
学園高校の現状と課題について。のべ180科目の中から生徒が各自の興味・関心と進路
希望に応じて授業を選択できるという「光」の部分と、大学と似たシステムの中でクラス集団
としての指導がきわめて成立しにくい「陰」の部分について。
 「中でも、戦後まもない新制高校の中でよく似たシステムが模索された時期があったという
ベテラン会員からのご意見からは、時代状況の変遷と教育というものの普遍性のかかわりに
ついて、感慨を感じさせられました。」(K)

1.28/06 神奈川支部の合宿例会

1月28日(土)14時集合~29日(日)昼
 場所 法政箱根荘 電話0460-2-0104
 内容 恒例の一人1レポート! 20分程度のミニ・レポートを用意してください。(資料15部ほど)
     T先生(学校現場はどこか行くのか、われわれはどう生き抜くのか)
     ……東京都の教育改革の経過や職場状況とその中での活動ぶりを聞きます。
        懇談を通して、私たちの今後の教育活動に示唆を得たいと思います。
参加費 一万円  申込は桑山まで

報告……箱根には雪が残っていましたが、暖かな好天に恵まれました。
第1部は、「学校現場はどこへ行くのか、われわれはどう生き抜くのか」というテーマで、
教育改革のねらい、経過と現状、それに対する対応などについて議論しました。
東京支部からT先生をお招きし、先進的な東京都立高校改革の状況について丁寧な報告を
していただきました。神奈川も近年急ピッチで改革が進行して、来年度からは1)中間管理職的な
総括教諭の導入、2)重要事項を審議・決定する企画会議の設置、3)観点別評価の実施
(これだけは神奈川が最先端を走っているようです)が決まっています。
しかし、東京の改革はやはり別格で、随分衝撃的でした。
第2部は、恒例の一人一レポートで、主なレポートは次のとおりです。
Y「時事問題から生徒に意見を書かせる」
H「『我存霧中』第26号の紹介」
K「毎日新聞『格差の現場から』を読んだ生徒の感想文の紹介」
       「日清戦争で日本は勝利しない方がよかったのか」
A「社会科授業で配布する『今週の新聞』」
      「恒例の政経論文を書かせて」
K「フリーター問題から始めた現代社会の授業」
I「倫理授業のなかから『空気を読んで孤立を避ける』を考える」

11.26/05 神奈川支部例会

11月26日(土)14時~
 場所 厚木駅 さつき平和書房(厚木市さつき町1-22-108)
 内容 渡辺徳昭先生(養護学校からの報告)
     綿引光友先生(地理授業と地理通信をめぐって)

報告……
 出席者は9名を数える盛会。報告2本で、3時間あまりの時間では少し足りないくらい。
 渡辺徳昭先生からは、養護学校の実情とそこでの取り組みを話してもらいました。
何しろ、ほとんどの人にとって未知の世界の話で参考になりました。渡辺さんが
生き生きと楽しんでいることも、印象深いところでした。
 大ベテランの綿引光友先生からは、新任以来の学級通信・学年通信・教科通信の
取り組みの歴史を語っていただき、現在の通信のいくつかを紹介してもらいました。
同僚を巻き込み、生徒や保護者の意見を吸い上げ、それらを紙面に反映させる手法は、
先生の一貫した方針です。現在4種類の通信にかかわっているとか。全民研での報告は
今回が最後とか言っていましたが、またこの次を期待する声が大勢でした。   

11.7/05 東京支部例会

田中裕児さんの授業 (埼玉県立朝霞西高校の授業公開)
5限 2時5分~3年生の「現社」
交通:東武東上線 朝霞駅からバス5分(昼は便が少ないと思います)徒歩20分
電話048ー456ー4311

報告……
 埼玉の朝霞西高校の授業公開に参加して、田中さんの3年生現代社会の授業を
参観してきました。終了後喫茶店で暫し意見交換という企画でした。中堅高のまったく日常の普
通の授業です。少し早めにお邪魔して職員室にいたのですが、多くの先生が大職員室
を利用し、10分休みにも生徒の話題や今の授業のでき事を交流している様子は、学
校の雰囲気や職場の力を感じました。朝霞西高校の「週報」もいただきました。
校長の文章や遠足・部活の話題、「学校つくり懇談会」、東京で言うところの学校運営
連絡協議会ですが、名称さえも画一的な東京都の実態に改めて愕然としました。

 授業は、「雇用の多様化」がテ-マでした。生徒のアルバイトの実態調査から時給や
勤務時間などを確認させ法規面の解説を加えます。22時までという生徒も結構いて認
識を改めました。6時間目だったのですが、「あと1時間で帰れる」という生徒の声で
授業が始まりました。その調子で、何人かの生徒から色々な声が出ます。大半は素直
で思わず笑ってしまうようなものでしたが、いい「感覚」しているなと感心もしました。
気付かせる→疑問を持つ→発言を促すという形が一貫していました。求人雑誌の
資料から、
正社員・契約社員・派遣社員・委託の違い(切り貼りではなく1ペ-ジに
この違った雇用形態が掲載されている時代なのですね)を生徒とのやり取りや「気付
き」から確認するという授業展開でした。声を出さない生徒も資料を見て共有する雰
囲気はありました。ほんの数分参観した保護者が「いい授業してるんだ。大事なこと
だよ、だまされないようにしっかり聞いて・・」と近くの生徒に声をかけていたこと
が印象に残りました。

 喫茶店での話の中で、田中さんが「こうした雇用問題について、学校は『しっかり、
勉強しないと大変なことになる・・』的ないい方でやっているが、
実際に進展してい
る社会は『しっかり勉強しても・・・』なのだ
。学校のメッセ-ジの出し方も考えな
ければ・・」(メモなので言葉は不正確)という趣旨のことを言っていました。
 私も勤務校で「ニ-ト」や「雇用の多様化」についての授業はしてみました。幸い聞こえ
てくる生徒の声の中には「サボっている」「力がない」「歩き始められない人たち」
といった声はありませんでした。今日の授業での素直な生徒の反応、彼らの不安との
異質と共通、両面を感じました。   十分雰囲気を伝えることができませんが、報
告とします。  会員MI
T
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