全国民主主義教育研究会・中間研究集会 (下に概要報告)

浅井基文会長を囲んで、世界と日本の情勢についてお話を伺います。国際政治や憲法をどう教えるのか、大いに議論しましょう。また、全民研の取り組んできた「平和教育」を検証し、高校生の社会認識や平和意識についての検討をあわせて行います。
新年早々の集会ですが、ぜひご参加ください。
 「東京で日帰りできるから当日でもOK」と、言わないで下さい。40部の資料を準備しましたが、不足が出ました。

期 日 ; 2005年1月5日(水)13:00~17:00 
               6日(木) 9:00~12:00
会 場 ; 駒場東大前

研究主題; 「いま、中高生の社会認識と平和教育を問う」

[第一日]5日(水) 13:00~17:00 
   13:00~15:00

講演;浅井基文氏(全民研会長・明治学院大学教授)
「ここが聞きたい!イラク戦争・安保・有事法制」
(予定)
    浅井会長からこんにちの国際政治や米軍再編、日本の動向についてお話を伺います。ここでしか聞くことのできない最新の情報や明日の授業へのヒントが満載の企画です。

   15:20~17:00
報告①「全民研の平和教育20年」沖村民雄氏(桐朋学園)
報告②「高校生の社会認識と平和意識」山崎裕康氏(都立小平西高校)

[第二日]6日(木) 9:00~12:00
 報告①「いま、イラクはどうなっているか?」(ピースウィンズジャパンの三沢一孔広報担当)
     NGOピースウィンズジャパンから映像をふまえて現地の報告をしていただきます。
    ②「イラク戦争を学ぶ高校生」 (実践報告)
    ③「アメリカ模擬選挙視察報告」 杉浦正和氏(芝浦工大柏中高等学校) 

会場への交通
○ 交通機関;京王井の頭線 駒場東大前駅下車徒歩7分
申し込み・問い合わせ
○ 参加費; 2,000円(1日のみ1,000円)(予定) 
※当日受付でお支払いください。
○ 宿 泊; 各自でお願いします。
○ 申し込み;
ここから、担当者宛てに直接お申し込みください。
※お申し込みの折は、「名前、住所、勤務校(在学校)、連絡先電話、参加日5日のみ・6日のみ・両日とも」をご記入ください。

中間研究集会の概要報告

講演;浅井基文氏(全民研会長・明治学院大学教授)
有事法制、在日米軍の再編強化そして改憲

1.「国民の保護に関する基本指針(要旨)」(2004年12月14日)
(1)指針が示す、弾道ミサイルゲリラによる攻撃といわゆる「国民保護」の中身
 (イ)指針が想定するゲリラ・特殊部隊による攻撃の態様
 (ロ)指針が想定銑弾道ミサイルよる攻撃の態様
 (ハ)指針がNBC攻撃の場合に想定する事態
(2)その他の問題点
 (イ)基本的人権との衝突
 (ロ)地方公共団体にとっての試練
 (ハ)国民の動員
 (ニ)避難措置にかかわる問題点
 (ホ)埋葬・火葬
 (ヘ)訓練

2..在日米軍の再編強化の原動力となるアメリカの世界戦略
(1)ブッシュ政権の先制攻撃戦略
 (イ)ブッシュ政権における先制攻撃戦略の採用と展開
 (ロ)対朝鮮半島政策における先制攻撃戦略の締める位置
 (ハ)米中関係における先制攻撃戦略の締める位置
(2)米軍再編計画と神奈川
 (イ)在外米軍再編計画の本質
 (ロ)これまでに浮上している在日米軍再編案
 (ハ)「安全保障と防衛力に関する懇談会」報告書に示された防衛力整備・日米軍事協力の方向性

3.進行している「実質改憲」:武力攻撃事態対処法といわゆる国民保護法制
(1)武力攻撃自体法の国会審議から明らかになったこと
 ・「公共の福祉」による人権制約……憲法13条が人権制約を可能にする包括的条項に変質させられる結果
 ・地方自治の危機……法律によって、首相の指示権限を「合法化」
(2)いわゆる国民保護法制の国会審議から浮かび上がってきたこと
(3)「戦争を起こさないためにどうするか」はなく、「アメリカによる戦争が起こったときにどうするか」という発想に貫かれた諸法律・条約

4.政府・保守政治が考えている戦争:新防衛計画の大綱
(1)日本に対する本格的侵略の可能性が低いことを認めざるを得なくなった大綱
(2)日米安保体制の枠組みを乗り越えようとする日米軍事同盟を抗争する大綱
(3)中国の脅威性を正面に押し出した大綱
 ・アメリカの台湾海峡有事をめぐる戦争シナリオ
 ・アメリカに呼応する大綱の方針
 ・台湾政局と日中関係
 ・ブッシュ政権の対中政策
(4)北朝鮮の脅威性を利用する大綱
 ・北朝鮮憎悪をあおる内容
 ・北朝鮮有事のシナリオ(「戦争計画5055」)
(5)曖昧なテロ対策しか示すことができない大綱
(6)改憲と大綱との関係

5.改憲派政党が進める憲法改悪の動きと狙い
(1)権会憲法調査会における審議内容がたたき台になっていること
(2)狙いは9条改憲、それをカモフラージュするための全面改正の手続き

6.政府・保守政治が改憲を急ぐ理由と今後の「スケジュール」
(1)武力攻撃事態対処法・国民保護法制の憲法違反の本質を追及する国民的動きに対して貴賎を制する必要
(2)9条がある限り、アメリカの対日軍事要求を満たしきれないという事情
(3)政府・自民党等改憲勢力の「改憲」スケジュール

7.前文・9条改悪を許さず、前文・9条を活かしきるための私たちの課題
(1)改憲派の主張の本質を、多くの国民に分かりやすく明らかにするという課題:多くの論点を前文・9条に結びつけて論じることがポイント
(2)多くの国民に改憲反対を働きかけるための手がかり
 ・「善意」の改憲賛成派に対する働きかけ
 ・核廃絶運動のエネルギーを改憲反対の闘いに結びつける課題
 ・国際世論(特にアジア諸国)が日本の改憲問題に関心と警戒を持つようにするための働きかけを意識的・積極的に行う必要


多田統一「新しい教育の課題を考える」
 都立の定時制高校で行われていることの報告。
 年間指導計画、週案、生徒による授業評価、生徒個人カルテについて。

       吉田俊弘「イラク戦争を学ぶ高校生」
 総合的な学習の時間を使った、高校2年生対象の「ゼミ」の報告。
三澤一孔(ピース ウィンズ・ジャパン)   
 「平和な世界を作るために何かできないか」と考えている三澤さんの報告。
   0.スマトラ島沖地震の対応
   1.NGOピース ウィンズ・ジャパンとは
   2.PWJのイラク支援
     ・イラク戦争前の支援
     ・イラク危機への備えと戦争下での支援
     ・イラク戦争後の支援
   3.イラクの現状と支援の意味
     ・イラクの現状
     ・なぜイラク支援を続けるか
     ・シビル・ソサエティー
     ・イラクで考えた戦争と平和
杉浦正和「米国投票教育視察報告」     
     ・全米で数百万人の模擬投票
     ・問題別投票なども実施
     ・学校の多様な学習活動が支え
     ・生徒自ら運動を起こす
     ・模擬大統領選挙活動の授業
     ・学校独自のHPで投票集計
     ・生徒が集計にボランティア
     ・小学生が模擬演説・投票
     ・VOTE EDUCATIONの広がり
     ・市民性教育を強調する世界史 

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